古武術の鍛錬法に見る量的トレーニングの意味②

さて、前回に引き続き量的トレーニングの意味について考えてみます。

 

今回は剣術の素振りです。

 

素振りといえば、現代のスポーツでは野球のバットの素振りや、ラケットスポーツの素振り、シャドーボクシングや回数をこなすことで何らかの練習効果をもたらすようなものはすべて当てはまります。

 

 

前回の稽古では素振りをやったのですが、昔から伝えられている練習法とのことです。

 

それは例えば100回素振りをするとします。

 

ここで、100回という数字が多いか少ないかという議論はなしでお願いしますね。

 

さて、当然、1回目から100回目まで毎回振ることになりまが。その振る速さを1回目から、半分の50回目でピークになるように少しづつスピードを増してきます。

 

そして51回目からはその速さを漸減させていきます。つまり少しづつ振る速さを遅くするのです。

 

最終的に100回目には1回目と同じスピードにしていく・・というものです。

 

いやー、これは本当に脳をフル回転させる練習法ですね。

 

私もやってみましたが、はっきり言って全くできませんでした 笑)。

 

前半の1回と後半の1回では疲労度も違います。つまり、一回、一回がすべて初めての素振りになります。しかも漸増、漸減ですから、他の一回と関連性を持たせなければなりません。

 

一振りが一期一会。確かに実際の戦いではそうなるはずです。

 

漫然と繰り返す一振りなんてあるはずかありません。しかも命がかかっていますから。

 

その凝縮がその素振りということになります。

 

これは量的トレーニングであって量的トレーニングではない。

 

この場合、量的、質的という考え方を超えていますし、非常に合理的だなとも思います。

 

 

 

 

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